Natural-Aspiration’s blog

太くて長い、或いは、太くて短い、ヘラクレスオオカブトを育てたい。

コバエ対策(おすすめ)

アース ノーマット(アース製薬)

 アース製薬のアース ノーマットは本来、蚊を避けるために使用する製品ですが、その成分はあのキノコバエにも有効です。

また、別の種類のハエや、ケース内のキノコバエには効かないほど殺虫成分は弱く、クワガタやカブトムシには幼虫にも成虫にも悪影響なく使用することができます。

ブリードルームを飛び回るコバエの鬱陶しさは筆舌に尽くしがたいですし、幼虫飼育中のマットにキノコバエが大量発生してしまうとマットの栄養が奪われ幼虫のサイズダウンにもつながります。

すでにケース内で発生しているキノコバエやその幼虫には届かないため、実際にはコレだけで完全に駆除できるわけではないですが、部屋を飛び回るコバエをかなり軽減することができるため、おすすめです。

蛹化〜羽化

〜あると便利〜

人工蛹室

 

カブトムシにとって蛹の時期はデリケートなので、自然のまま蛹化〜羽化まで持っていける場合はそれが一番なのですが、ヘラクレスオオカブトの♂はツノが非常に長く立派な形をしています。

そのため、飼育ケースのサイズに合わせ、どうしても小さな蛹室を作ってしまいがちな飼育下では蛹室のサイズが足りずツノ曲がりが発生してしまうケースも見受けられます。

そのリスクを避けるために、♂が蛹化するのに合わせ、蛹室を暴く(露天掘りする)か、人工蛹室に移すという方法があります。

 

人工蛹室の作り方→ 

 

蛹室を暴く場合は幼虫が前蛹(体全体がシワシワになり手と足が固まって動かない状態:蛹室を作り始めてから約2週間後くらい)になってから完全に蛹化するまでの間に行う必要があります。

(手と口が固まっていないともう一度蛹室を作ろうと暴れてしまい、サイズダウンにつながります。)

 

蛹室を暴いて、そのまま蛹室を使えそうなら、露天掘りの状態で使用するか、或いは、人工蛹室に移します。(※いずれの場合も乾燥に注意して管理を行います。) 

通常、蛹化から1〜2ヶ月くらいで羽化します。

蛹化〜羽化の期間はヘラクレスオオカブトの飼育において最もデリケートな期間なのでできるだけ刺激やストレスを与えないように注意して管理していきます。

 

 

幼虫飼育

〜必要なもの〜 

飼育ケース

発酵マット

温度計

〜あると便利〜

虫スプーン(特に初令幼虫はデリケートなので素手で直接触れることは避けたい)

 

ヘラクレスオオカブトの飼育では発酵マットを使用します。

発酵マットはガス抜き(マット内で休眠状態になっているバクテリアを活性させ発酵状態を安定させる工程、マットを攪拌し酸素を供給することで、1日〜2日で嫌気臭が消え、マット本来の状態に戻すことを指します。)と必要に応じて(手で握って崩れない程度を目安に)加水します。

マットはガチガチには詰めず空気が入るようにします。

 

カブトムシの幼虫は特性上、多頭飼育も可能ですが、ヘラクレスの場合、オスは特に大きくなりますので、一つのケースに一頭づつ飼育したほうが無難です。

 

幼虫を管理する際の温度は、基本的には成虫と同じで20℃〜25℃の範囲で、できるだけ一定に保つことが理想とされています。

 

マットの交換は2〜3ヶ月に一回程度行います。

また、コバエや線虫などが発生して劣化してしまった場合や、フンが目立ってきた場合は早めに交換する必要があります。

 

※マットを交換する際には上のほうに古いマットを少し入れると幼虫にかかるストレスの低減とコバエ対策になります。

 

 ヘラクレスオオカブトに限らず甲虫は成虫になってから大きくなることはありません。

幼虫をいかに大きく育てられるかが重要です。

そのためには温度の管理とエサであるマットが大切です。

 

 

 

採卵

〜必要なもの〜

プリンカップ

〜あると便利〜

虫スプーン

 

種親がマットに潜っていないタイミングで産卵セットから取り出し、足場やゼリーを回収したら、ブルーシート衣装ケースなどに産卵セットをひっくり返します。

誤って潰してしまわないよう慎重にマットの塊を崩して卵を取り出します。

 

取り出した卵は1個づつ、産卵に使用したマットを柔らかく詰めたプリンカップで乾燥に注意しながら管理します。

 

採卵終了後は、再度産卵セットを組めば、引き続き産卵させることが可能です。

 

 

産卵

〜産卵セットを組むのに必要なもの〜

・大きめの飼育ケース(プラケース大QBOX−50等)

発酵マット粒子が細かいものがおすすめ)

転倒防止材など

昆虫ゼリー(産卵には多くのエネルギーを必要とするので栄養価の高いものがおすすめ)

 

 

 

ヘラクレスオオカブトに産卵させるためには産卵セットを組む必要があります。

大きめのケースにマットを入れ、マットは必要に応じて、硬く握って崩れないくらいまで加水し、水分調整をします。

(硬く握って水が滲み出るほどだと水分が多すぎますので、注意が必要です。)

水分調整をしたマットはガチガチに詰めます。 (ハンドプレスを使用するのがおすすめです。)

 ケースの7割ほどまで詰めたら表面に固めていない柔らかいマットを敷き、転倒防止に材など足場を設置し、エサを複数入れて、交尾済のメスをセットします。

ヘラクレスオオカブトの産卵方法はバラ撒き産卵と呼ばれ広範囲に産卵したがる傾向があるのでケースの大きさにもよりますが、10日〜2週間に一度くらいの頻度で採卵しています。

 

 

成虫管理

〜必要なもの〜

飼育ケース

 

ハスクチップミズゴケマット等の床材

 

昆虫ゼリー

 

〜あると便利〜

温度計

霧吹き

転倒防止材

エサ皿

 

飼育温度は20℃〜25℃からある程度の範囲であれば適応可能だと考えています。

ヘラクレスオオカブトの成虫は比較的丈夫ですが、高温には弱く、また温度はできるだけ一定に保つほうがストレスが少なく長生きします。

飼育ケースにはハスクチップ等を敷き、エサ皿に昆虫ゼリー、転倒防止材など、足場になるものをセットして管理します。

飼育ケースの大きさは、個体の大きさに応じて選んであげる必要があります。

後食済の個体の場合であれば、ゼリーの水分で飼育ケース内は湿っていくのでそれほど神経質になる必要はないですが、後食前の個体は、時々ケース内の乾燥を防ぐために霧吹き等を使用して適宜加湿をする必要があります。

 

※昆虫ゼリーはKBファームのプロゼリーが圧倒的におすすめです。

嗜好性が抜群です。

高タンパク・高カロリー設計によるのか産卵数も明らかに多いと感じます。

硬めで液ダレがなくマットが汚れにくいです。

 

ペアリング

〜用意するもの〜

 ・成熟したペア

・22℃〜25℃程度の室温

 

 〜あると便利〜

・足場になる木など

 

ヘラクレスオオカブトの成熟は目安は後食(ゼリーを食べ始めてから)から3〜4週間程度です。

また後食を開始すると、だんだんと食べれる量が増えていきますので、ゼリーを1日1個完食するくらいになれば成熟していると考えられます。

 

ペアリングの際には温度は22℃〜25℃で管理するのがおすすめです。

低温だと成熟に時間がかかってしまいますし、活動も鈍くなります。

 (※♂♀の羽化ズレなどで、一方の成熟を遅らせたい場合、その個体を低温で管理することで、ある程度タイミングを合わせることができます。)

  

ペアリングの仕方①〜ハンドペアリング〜

♂の触覚が♀の小循板の付近にくるよう♂を♀の上に乗っからせます。

♂の触覚が反応して小刻みに震えていることが確認できれば、数分から数十分で交尾が始まります。

 

※うまくいかない場合は、どちらか(或いはどちらも)が成熟していない可能性もありますので、少し期間を空けて再チャレンジします。

 

(後日、再チャレンジすると大抵の場合はうまくいきます。)

 

ペアリングの仕方②〜同居ペアリング〜

 

成熟した♂♀を一週間程度同居させることで交尾させる方法です。

その場合、ストレスや喧嘩を避けるため、ある程度の大きさの飼育ケースにエサ場を複数用意して同居させます。

 

※いずれの場合も、交尾が確認でき、♀がメイトガードから離れているようなら、トラブルを避けるためにも、その後は♂♀別のケースで管理するようにしています。